市の防災訓練だそうで。
まぁ、『参加しようかな』くらいに思っていたけど、忘れてた。
朝メシを食い終え、一服しようと外に出たら、サイレンが鳴る。
それを『まぁ、いいか』と思っちゃうあたり、あの震災から時間が経ち、だいぶ図太くなってきたことを実感する。
隣の家の人が『行かないの?』と聞いてきたので、『行かないみたい』と答えたら『行きなよ』って。
小梅は小梅で乗る気になる。
『さいれんのおとがきもちわるい』と言ってたけど、あの日の記憶がうっすらとでもあるのかしらね。
っていうか、小梅は“学校に行く”という行為が好きで。
あの3.11のあとの避難も、その後の訓練もノリノリ。
というわけで、指定避難所である中学校へ歩いて行く。
到着すると『おぅ、おつかれさん!』と自警団のおじさんが馴れ馴れしいと思ったら、高校の柔道部の同期だった。
防災訓練に参加しただけなのに、同級生を見て己のおじさんさを自覚する。
そして、ただ校舎に入って出て帰る。
学校に行くことをワクワクしてる小梅は『これでおしまい』を怒る。
去年は同じ理由で号泣したっけ。
泣かなくなっただけマシなのか、これ?