どうやら俺は毎年、ホワイトデーには何のお返しもしていないらしい。
だが、待て。
毎年、『俺は小遣い制だが、お返しはいるのか?』と聞いて、『別にいらない』という確認はなされていると思う。
なのに、『もう、来年からいらないよね』なんて言われたりする。
『気持ちが嬉しいんだろ?』と言うと、『いいえ、モノです』と言われたりもする。
そんな俺たち夫婦のことは置いといて。
仕事帰り、ずいぶんな雨が降っている中、家の近所を一組の母子が傘をさして歩いていたんだ。
特に気にもせずに家に帰ると、『今会わなかったか?』と母親に言われ、さっきの母子がアイータ&小梅だと知る。
どうやら、小梅のことを好きでいてくれるあのコの家にホワイトデーを届けに行ったらしい。
今年は小悪魔的お返し要求もなかったようなので、すんなりなのか、これ。
帰ってきた小梅に聞いてみた。
『喜んでた?』
『ちょっと怒ってた』
よくわからん。