俺は夕方からの勤務だったので詳しくは知らないが、アイータに言われたことに腹を立てた小梅が泣きながら家を飛び出して近所中の見せ物になったらしい。
小梅はそれを“家出”だと言う。
状況を聞いてもよくわからない。
『“家出”だったので、夕食をどうしようかと考えて木の実を漁った』とかいうレジャーサバイバル報告だけで、その時の思いとか時系列とかはさっぱり。
小梅とアイータはいつも同レベルでケンカをしていて、何なん?
聞けば、アイータも幼少期に今の小梅が言うようなことをアイータ母に返していたと言うので、やっぱり同レベルなんじゃねぇか。
小梅ちゃん、中学生くらいになったら誰にも縛られたくないと逃げ込んだこの夜に自由になれた気がするの?