命日

親父の22回目の命日。
いつの間にか親父が死んだ歳になった俺。

あの日の朝の空気ははっきりと覚えてる。
死んだ親父を車に乗せて家に帰る途中、それでも街はいつも通りで、何とも言えない感覚だった。

死んだあと、俺は何となく自分に都合のいい世界が存在してると思っている。
だから、親父のもとで子供に戻ったり、小梅の親になったり、違う時代に死んだそれぞれの飼い犬が揃ってそこにいたりするのだと。

そう思いながら、俺は親父が歩かなかった51歳以降を生きていくのだ。