希望の轍

高速バスに乗ってたら、蛇行運転をしはじめた。
乗客がざわつく。
どっかのオヤジ、『おい、誰か言った方がいいんじゃねぇか?』って。

俺、こういう、前に出れないくせに仕切りたがる奴、大嫌い。
『誰か、救急車呼んでぇ!』って叫ぶ奴みたい。
手は汚さないくせに英雄気取りで、人として汚くね?

そうこうしてるうちに、若い女の人が運転手に『大丈夫ですかぁ?』と声をかけた。

おぉ!
勇気あり&生への執着心。

運転手さん、『轍があるので揺れてますが大丈夫です』って。
みんな、一安心。

という事態を、俺はいろんな事実を繋ぎ合わせて把握した。

だってさ、ラオウ剛掌波を食らっちゃって、『ケーン!』って言うかどうかの瀬戸際だったのよ。
うん、北斗の拳
iアプリ。

何かあったら、気付かないうちに死ねるタイプ。