出る前に負けること考える馬鹿いるかよっ!

昇級試験当日の昼前、更衣室でシルゾーとばったり。
ここから先へ入るには特殊な服を着ないといけないのです。

試験についての不安を語る俺。

シルゾー、一度にふたつのことができない子なので、この間、ただ聞くのみ。
どうやら、着替えるのを忘れてますわ。

ようやく着替え終えて“よっしゃ”になったあと、『あー』って。
“持って入らなきゃいけないモノ”を忘れてきたそうだ。

着た服を脱ぐ。

忘れてから話してたんであって、話してたから忘れたわけではないのに『話してたら忘れちった~』って、俺のせいにした。

こんな子は置いといて、試験前にとりあえずの一服。
そこにシルゾーふたたび。

俺が緊張のリングに上がるのを見てニヤニヤしやがってさ。
『大和は沖縄へ行くんじゃろ?』とでも言いたげ。

大和?
スローで傾きながら沈んでいったんでない?