マサルが死んだ。
一昨日の夜、柔道部の先輩からの電話。
俺の1コ上のマサル。
いつも、みんなにイジられてたマサル。
歳下の俺たちに呼び捨てにされたり、あだ名で呼ばれたりして怒ってたけど、どこかコメディなマサル。
『俺はイジられてるぐらいがいい』と言ってたマサル。
骨折した腕がなかなか治らなくて、石膏で固めてる期間がやけに長かったマサル。
強くもないのに、いっちょ前に“カリフラワーの耳”になって、注射器で血を抜いてたマサル。
先生に校内放送で呼び出されて、ジュースを買いにパシってたマサル。
先生のゴルフの練習に付き合わされて、ボールを拾うために走りまわってたマサル。
先輩の家で飲み明かす日には必ず殴られてたマサル。
仲間に自転車の荷台に乗られて、いつも漕ぎ役だったマサル。
あの頃の俺たち、毎日が凄ぇ楽しかったなぁ。
東京で暮らしてて、たまたま帰ってきた日に死んだって。
帰ってこれてよかったな。
昨日、動かなくなったマサルに会いに行った。
死んだらイジれねぇべや。