ちゅくちょくしつ

宿直当番だったある日、港で赤潮が発生したとかで、俺しかいないところに電話がかかってきた。
そんなの、俺に言われても知らん。
自衛隊に言え。

そんなことより、呂律。

『はい、ちゅくちょくしつです…あれ?…ちゅくちょ…ちゅく…あれ?』

“しゅくちょくしつ”が言えないランキング上位者だ、俺…。

ぷぅ。

でも、言い直してみたら、あっさり言える。
あの時の俺はどうかしてた。

別の日、アゴキックに用事があった奴が『いくら探してもいない』って怒ってる。
『あのヤロー、“ちゅくちょくしつ”で寝てやがる!』

きた。

怒りモードなだけに余計に滑稽に見えて、俺の順位をはるかに凌ぐ好成績。
どうやら、人は泡食ってる時や勢いづいてる時には“宿直室”が言えないようだ。

という結果。

そして本日、宿直です、私。