みなしごのバラードⅡ

俺は捨てられた仔犬のように、シルゾーが見えなくなるまで、その後ろ姿を目で追いました。

しょうがないので、雨の中を歩いて体育館に向かう。

『もう汁男さんは絡みたくないんじゃない?』が頭の中でリフレインする。

『あぁ…そうかもしれないな…』

冷たい雨が地面を叩く音がタイガーマスクのエンディング曲に聴こえるよ。

合同朝礼が終わったあと、休憩室で会ったシルゾー、『あれ?朝礼出てた?』って。

今更、『あれ?』があるかよなぁ。

俺は部署の廊下から靴箱、玄関まで、おまえのすぐ後ろを歩いてたよ。

♪あたたかい人の情けも~

胸を打つ熱い涙も~

知らないで育った僕はみなしごさ~