休日は、やっぱり妻と二人で出かける。
今回は、俺が前に一度だけ行ったことのある美術館。
ここのちょっとした庭園には、秋になると色づく木々があるんだよ。
美術館に行っても雰囲気を味わうだけで、じっくり見るということをしない俺だが、“季節を楽しむ"がテーマなので、行く。
道中で食べようと、家からドラ焼きをポケットに忍ばせたのだが、自分の分だけだったことに、アイータはご立腹。
『さっき、「食べた」って言ったじゃん』
『「食べようと思った」って言ったんだよ』
『半分食う?』
『いらない』
恨み、深いね。
『中にクリームが入ってるけど、いらない?』
『食べる』
食べるらしい。