小梅は俺の“カンカンちゃん"である。
響きなので、“カンカンちゃん"に意味を求めるな。
おそらく、『あの娘可愛いや、カンカン娘~♪』から来てると思われるが、いずれにしても、どうでもいい。
とにかく、『カンカンちゃん』と言いながら、チューをするのだ。
そんな“カンカンちゃん"の小梅と生き別れです、俺。
お父さんだって、好きで置いてきたわけじゃないんだ。
あの戦争がすべてを引き裂いたんだ。
いや、名古屋のジイちゃん&バアちゃんは初めて触れる孫なので、少しゆっくり滞在してもらおうと、俺だけ帰ってきた次第。
育児からの解放?
そんなこと思ってねぇよ。
いや、ちょっとだけ。
いや、思ってねぇよ。