知らない人がベンチに座っていると、その人の前で立ち止まる小梅。
『こんにちは』が言いたいようだ。
アヤメを見に行った時も、やはりバアさんの前で立ち止まった。
バアさん、『喉が乾いたの?』と言いながら、手に持っていた“飲みかけの”ペットボトルを小梅に渡す。
いや、いや、いや、いや。
小梅は両手で受け取ってしまったが、慌て返す。
一旦手にしたものを取られたことで、小梅は『うぇ~ん!』。
バアさん、『ほら、可哀想じゃない』と言いながら、今度はそのペットボトルのキャップを開け、小梅の口元に近づけた。
およよよよ。
小梅の手を引き、その場を立ち去ろうとすると、『いいじゃない』って。
有難迷惑というか、この悪気のない感じが余計に質が悪い。
そして、バアさん的には『今時の親は…』になっちゃうんだな、これ。
ちょっと前に『抱っこさせてください』とか言って赤ちゃんの脚を折ったという女が逮捕されてたし、悪意があるにせよ、ないにせよ、人と絡むとロクなことがない。
結局は『人を見たら泥棒と思え』でちょうどいい。