誰かの土産で“うなぎパイ”が置いてあったんだよ。
シルゾー、普通に食ってたわけ。
早い者勝ちだから、それは何の問題もないんだけど、今まではそういうのに手を出す勇気のない子だったから、ちょっと驚いて。
いろんなグループに便利に使われたり、意外と自分よりもアレな奴が実は何人もいることに気づいたりするうちに大きくなったんでしょうな。
『そういうの、出来ない子だったべよ?』って意味で、“うなぎパイ”とシルゾーの顔を交互に数回見たら、シルゾーは『エヘ、食っちゃった』って。
俺のジェスチャーの段階では特に何でもないまわりの連中も、シルゾーの『食っっちゃった』によって、一気に“うなぎパイ”の話だと理解出来ちゃうわけ。
これさ、本人は何の意識もしてないよ。
本人が何の意識もしてないところで、“土産に手を出したシルゾーに卑しくもチェックを入れてる俺”という印象をみんなに植え付けるプロの業。
今回はたかだか“うなぎパイ”の話だけどさ、こんな風に、こっちはキーワードを出してないのに、シルゾーのせいで台無しになることが多々あるから気をつけろ。