小梅に夢の話を聞くと、必ず『どうろをひとりであるいてる、かなしいゆめ』と言う。
小梅は一人になったことなどないどころか、幼稚園の送迎ひとつとっても両親が揃っている環境が多いはずなのに、どうしていつも一人で歩いてるんだろう。
『一人になったことないのに、どうして一人の夢を見るんだろうね?』
『ひとりになったことあるよ』
『いつ?』
『おかあさんがぼくをおいて、とうゆをかいにいっちゃったんだよ~、ふぇ~ん』(小芝居)
『そんなわけないじゃん』
『ほんとだってば、もう!』(小芝居)
アイータに聞いたら、庭のガレージに灯油を入れに行く時にふざけて『留守番しててね~』と言ったら、窓を開けて大騒ぎされたということらしい。
多分、何から何まで小芝居。