3月になった。
いよいよ、今月には卒園。
親は切なさを感じているが、小梅はチョーワクワク。
幼稚園でも着々と卒園式の練習をしているらしい。
卒園証書授与の練習では、ステージに上がった時に園長先生に『ボクのはなしをきいて』と切り出し、今は黙ってるように言われたが、走り出したら止まらない小梅は全員の名前を“さん付け”で呼ぶように要求したとか。
何でも、小学校ではそれまでの呼称も無視して“さん付け”で呼ぶことを強制されてるようで、小梅としては『みんな小学生になるんだから“さん付け”にしろや』みたいな感じがあるんだろう、きっと。
つまりはそれだけ小学校に意識が向いてるんだろうが、会社が要求を飲むまで闘いますの組合みたいだ。
もう、本番で黙っていられるのか、心配。
今日はスポーツ用品店に学校指定の体操服を買いに行く。
試着をすると実に嬉しそうで、ヒーロー物のポーズなんかを決めてみせる。
体操服なんかを着ると、本当にお兄ちゃん。
キラキラとした目で嬉しそうにしている姿はそりゃ、喜ばしいことなんだけど、やっぱり、どんな感情よりも切なさが上回る。