小梅の授業参観。
父ちゃんは交替勤務なので、行ける機会がほかのおとうさんに比べて多くて困っちゃう。
ガッカリしそうな予感は幼稚園の頃からずっと変わらないのだから。
今回は紙粘土工作の授業参観なんだって。
わりと自由な雰囲気で何か、つまらないね。
事前に“設計図”は描かれてあって、それを元に造形。
小梅は“キラキラ天使”とかいうタイトルで造りはじめたが、最初から設計図と違う。
そのまま走り出して、『ぜんぜんちがうものになっちゃったー!』と騒ぐ。
切り替えた作品名は“なぞのかいぶつ”なんだそうだ。
そして、それはおとうさんへのプレゼントなんだそうだ。
手を挙げて、そういう風に説明してた。
何か、ありがとう。
『あら、おとうさん、嬉しいでしょうねぇ』みたいに俺を見るのをやめてくれ。
“キラキラ天使”ではなくなった“なぞのかいぶつ”だ。