小梅には一日の終わりに“楽しかったこと”と“悲しかったこと”を聞くようにしてるんだ。
そして、毎日を好き勝手に楽しく過ごしているくせに、だいたいは“楽しかったこと”は挙げず、不満ばっかりを口にする。
父ちゃんそっくり。
昨夜は『ひるやすみがなかった…』と落ち込んでいたんだ。
聞けば、図書室の黒板に落書きをしたのが見つかって、昼休みがなくなったらしい。
小梅は“こっそり”とか“バレないように”とかが苦手だ。
そこが可愛いといえば可愛いんだけど、もうちょっと要領が良くてもいいと思う。
道徳心は当然に学んで欲しいが、一方で“ズルさ”を覚えないと生きて行けない現実もあり。
社会に出たらズルくて汚くて図々しい奴しかいないんだから。
何か、会社で福祉関係との“ふれあい”がああでもないとか言ってるけど、日常的にふれあってるじゃないか。
おかしな連中と。