アイータと小梅が名古屋から帰ってきた。
らしい。
俺は夕方からの勤務だったので、新幹線、JR、路線バスと乗り継ぎ、自力で帰ったらしい。
小梅は公共交通機関にハマっているので、それもワクワクだったようだ。
太川陽介って偉いよなって思うけど、それが銭になるんだから、苦痛じゃないよな。
しっちゃかめっちゃかな小梅を連れて長距離移動しても、ただの親子っていうか、そもそも太川陽介がいないというか。
父ちゃんは深夜帰宅なので、いつもみたいに再会の瞬間に満面の笑みで『おとーさーん!』と抱きついてくる小梅には会えない。
家に帰ると可愛い小梅ちゃんは就寝中。
いつも通りに寝ぼけながら父ちゃんの布団に入ってくる。
“寝ぼけながら”なので、“久しぶりの感触”ということには気付いていないらしい。