朝を迎えても義父は眠ったまま動かない。
手紙を書いて棺桶に入れようと、小梅に書かせる。
ずいぶん長文を書いてた。
内容は合ってるといえば合ってるけど、よくわからない。
アイータにも書かせた。
何を書いたのかは知らない。
親子の間に俺が入っちゃいけない。
俺は俺で書こうかと思ったが、口にせずにやめておいた。
娘を遠くに嫁に出すことになって申し訳ない感覚が強かったけど、やめておいた。
そうこうしてるうちに親戚が集まって、通夜がはじまる。
“彼氏”が死んでしまった義母の俯いた横顔なんかを見ていた。