先日の試験。
受験票の確認すら怠ってスリッパを用意しなかった俺だが、やはり仲間内でそんな話をしていた連中もいたんだ。
『スリッパ持ってきた?』『え?』
『スリッパ!』『え?』
ここもか?
急に話しかけられて脳の整理が追いつかずに日本語が成立しないのは、どうやらウチの会社だけではないらしい。
『電卓持ってきた?』『え?』
ほら、同じ奴が同じようにわからない。
『電卓持ってきた?』
もう一度聞く。
『え?』
もう一度わからない。
『電・子・卓・上・計・算・機・持ってきた?』
あー、聞いた側があきらめた瞬間。
会社にいるみたいでヤダ。
表に出ると、今度は窓際の座席の奴に対して『あったかそうだね』と聞く奴。
聞かれた方は『眠いっすよ』と答える。
聞いた方は『いや、だから、あったかそうだね』と聞き直す。
これは聞いた側が【YES or NO】以外の回答が来ると予想してなくて整理が追いつかないバージョン。
ただ試験を受けに行っただけなのに、日本語が成立しないのは会社だけではなく、どこへ行っても八方ふさがりだと認識することになった日曜日。