小学校の卒業式当日を迎えてしまった。
残りの小学校生活で小梅の姿を目に焼き付けるでもなく、突然休校ということになってしまい、そして、今日を迎えた。
生涯、この日の府に落ちなさを抱えたまま生きていきそうだ、俺。
中学校に入ったらスキー合宿とかあるらしいけど、こっそり付いていきたさが増し増しになるという影を落としたね。
アイータは『はぁ?行くわけないじゃん』と言うけれど。
戦時中とか、3.11とか、日常が突然変わってしまった人たちもやりきれなかったよね。
もうランドセルを背負っているわけではない小梅と、日常ではない学校の風景。
卒業式会場である体育館には入れないけど、スーツを着て学校には行った。
練習も在校生もなく、学年関係以外の先生たちはジャージでいるという変な卒業式。