婆さん、焼かれて骨になった。
高齢だが、骨がしっかりしている。
健康体だったんだな。
俺は火葬場に行くたびに昇る煙を見ていたのだが、今の施設は老朽化と環境面とで新しくなり、煙は見えない。
婆さんは何を食っても『あー、うまかった』と言うし、農作業ばっかりで着飾ったこともないし、いったい何がしあわせだったんだろうな。
晩年の婆さん、俺には可哀想に見えたけど、実際はどうだったのか、知らん。
いや、よくよく考えたら婆さんのこと、何も知らん。
どんな人生を歩んで、今こうして焼かれたんだ?
しあわせだったのかい?