既定路線

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自分が年齢を重ねれば、そりゃ、まわりだって同じように重ねる。
近所の“おとうさんたち”はいつの間にかおじいちゃんになり、頻繁に庭に出ては煙草を吸ったり、何やらの工作をしたり。

俺もそんな感じだ。
そして、そんな風になりたいのに、アイータは男の定年後を『しょうがない』と一蹴し、働き続けた方がいいと悪魔のように言う。

ある日、出かけようとしたところ、いつものように近所の“かつておとうさんだった人”が庭にいた。

よく見りゃ、着ている物が俺とまったく一緒。
色まで一緒。
アイータは俺と並べて写真を撮りたいとイジリ出す。

並べて写真を撮るかどうかは別にして、“かつてのおとうさん”はやることがなくて庭と家を行き来する行動だけでなく、服装まで似る。

それでいい。