猪木のリハビリ動画を見た。
“燃える闘魂”がこんなに弱々しい。
晩年のマサ斎藤も、杖を使って歩く天龍源一郎も、どんなに頑丈であっても例外なく歳をとる。
時の流れの残酷さ。
引退以降、かき混ぜてグチャグチャにしているのが我慢ならなかったが、それまではとにかくスーパースターだった。
中学生の頃なんかはアントニオ猪木のことしか考えていなかったし、引退試合は会社が休めなかったら辞めてでも行くと決めていた。
ファイティングポーズだけで絵になるスーパースター。
動作のひとつひとつからも闘志を感じるスーパースター。
炎のファイターを聴いた。
50歳になった今でもこの曲を聞くと自然に拳を握り、顎を突き出して力がみなぎるのだ。
『出る前に負けること考えるバカいるかよ!』だぜ、猪木。