あれから31年が経って、ずいぶん歳をとった。
言葉がパッと出なくなり、そもそもその言葉すらも選らばなきゃいけない世の中になった。
たとえばラップとか、言葉繋ぎは凄いと思うけど、あれは“反応”だったり“反射”だったりであって、抱えてる感情の表現とは違う気がする。
やっぱり心の内を言語化したものに惹かれるよね。
【盗んだバイク】とか【校舎の窓ガラスを割る】とかいう部分の切り抜きだけしか読み取れない人だらけの時代になったけどさ。
彼が亡くなった歳って、今の俺よりも小梅の方が近いんだな。
親が知らないだけで、小梅の心の内も十代なりの“揺れ”があるのかね。
僕は街にのまれて少し心許しながら
この冷たい街の風に歌い続けてる
