西新宿の親父の唄

特別な名前の付いた特別な技を持っていた先生が亡くなったとは聞いたけど、たまたま車で通りかかったところが葬儀会場だった。
あれだけ長いこと教師をやっていたのだからさそがし立派な葬式なんだろうと思ったけど、花輪の数も少ないし、それも教育関係からじゃなさそうで、何だか寂しい葬式。

だから、ほら。
結局そうなんだよね。
働いてる期間に接する人間なんて、別に仲間でも何でもなく。
さんざん人を巻き込んで迷惑をかけたって、手段として在籍していたところにたまたまいただけの奴でしかないし、上司だの責任者だのとされている奴も気が利かなければただの他人。
定年退職者を見送らずに会議をしてたり、最終出勤日の奴に挨拶する機会を設けなかったり、そんなのばっかりだろ?

だから俺はそういうところだけを見極めて生きていきますよ、先生。