さようならの唄

休憩室の扉の外に空き缶のゴミ箱があるんですが。
俺のすぐ前を歩いてた副長が扉を押さえててくれてます。

うん。
コンビニなんか行くと若いお母さんは押さえもしないし、逆に押さえてやっても頭のひとつも下げないからね。
馬鹿が育ててるんだから、そりゃ、馬鹿確定でしょうよ。

でも、ウチの休憩室の場合、ケツで扉を押さえながら缶を捨てられるのですよ。

副長、つまり、ありがた迷惑です。

でも、押さえてもらってる手前、押さえ変わってやらなきゃいけない。
ブッチャーの地獄突きの特訓ぐらいの早さで缶を捨てて、扉を押さえるのを求められてますわ。

そんな状態でゴミ箱に缶がフェードインするかよ。

入り損ねた缶を拾い、閉まっちゃった扉を再度開け、副長には『あざーす』みたいなポーズをとり。

二度手間、三度手間。

人生、テンポが命。