続・緊急連絡網

新しい連絡網を見ると、俺の前は“オダ”って奴。

…誰?

同じ部署に話したことのない奴が何人かいるとはいえ、名前を聞けば、たいがいは『あー』ってなる。
でも、“オダ”なんて知らない。
誰に聞いても知らないって。
そんな中、『ウインドブレーカーを手に持って…』という有力情報。

あ、アイツかぁ。
わかったけど、何しに会社に来てる奴かはわからない。

この連絡網、『本人不在の場合は家族が次の人に…』だの何だのって面倒くさいから、『ケータイにかけてくれ』が主流になってる。
俺、そんなウインドブレーカーくんにケータイを教えるのん?
有り得ないっしょ。

なので、電話がかかってくるであろう時間に家で待機。
電話が鳴って受けとると、何故だか相手はホモ。

『オダさんって人が電話に出なくてさぁ』だそうだ。
散々、俺の頭の中をかきまわしといて、不在。
ふざけたヤロウだ。

なんてことをほかの人に言っても、やっぱり『オダって誰?』になる。

俺とホモだけがオダマジックの犠牲者。