長い一日

『死んじまったもんはしょうがねぇや』

親孝行なんだかどうだか、母親と二人で往復8時間の日帰り旅をした。
“はじめてづくし”で喜んでいたので、まぁ、よかったんだろう。

朝、親父も連れて行こうと思い、小さめの“サブ遺影”を持っていくことを提案した。
母親は『いつも写真を持ち歩いているからいい』と。

『生きてりゃ一緒に行けたのになぁ』
『今頃、「オメェばっかり行けていいなぁ」って言ってるかも』

旅から帰ったあと、そんな言葉たちが出てくる。

そして、最後は『死んじまったもんはしょうがねぇや』。

もしも生きていれば、今月の28日に58回目の誕生日を迎えてた親父。

うん、しょうがねぇや。