ひと夏の経験

サナギから蝶へ変貌を遂げそうな気のする中学の夏休み。
シルゾー長女、友達同士で浦安ネズミ帝国に行くらしい。

どういうこと?

もう、むしろ“そっち側”のタイプのような気がしてきたので、この際“本当に友達と行くのか?”なんてどうでもいい。
“比較してどうか?”である。

浦安ネズミ帝国は俺が中1の時に出来たから、行こうと思えば行けたんだろうけどさぁ。
俺たちの頃は各駅電車に乗って大きいプールに行くのが“前に出てる”感じだったわけさ。
今はいきなりそんなメインステージ?

っつうか、俺はそこに辿り着いた頃にはいい中年オヤジになってたんですけど。

今は地元のホテルから直通バスでサクっと行けるもんなぁ。

『そうだよね』と、父シルゾー。
『俺たちの頃にそんなバスがあったとして、行ける環境があった?』
『…いや、あるわけない』

人による。