一粒のダイヤ

高速バスの座席にダイヤ(ニセモノ)が落ちてた。

このダイヤ(ニセモノ)、落とした人にとっては凄く大切なものかもしれん。
¥1000だとしても、¥数万だとしてもね。
中学生ぐらいのコが初めて男からもらったプレゼントかもしれんじゃん。
Cから始まる恋のバラードかもしれんじゃん。

いろいろ、想像が巡りますわ。

あるいは、このままいただいちゃって『これをキミのためにスリランカまで行って取ってきたよ』とか言っとけばいいんじゃねぇの?
とか。

結局、俺は金の斧が欲しいので、このダイヤ(ニセモノ)を正直に運転手さんに渡した。
運転手さんは『はぁ…』って。

いや、俺も『はぁ…』なんですけどね。
女のコは石が好きみたいですよ。

体から石が出た人ならいっぱい知ってるけどなぁ。