偉い荷物

高速バスに乗り、リクライニングを“許容範囲内で”倒そうとしたら、うしろのオヤジがえらい被害者ぶった声で『あ~、倒さないで~』って言って、俺のシートを手でバンって。
足元に荷物があるからだそうだ。

一瞬、『俺は倒しちゃいけないんだ』って思ったけど、こういうのって、あとからジワジワくる。
何で、このオヤジの荷物が優先?

『荷物を上の棚に乗せろや』
『入らないんですよ』
『だったら、トランクに持っていけや
『・・・・・。』

このやろう。

『俺は金払って乗ってるんだよ』
『私だって払ってますよ』

あー!
この気弱そうな奴の妙に曲げない方針って腹立つ!

結局、バスは走り出し、これ以上絡むと、俺の顔的に俺が一方的にイチャモンをつけてると思われるので、何となく俺が折れた形に。
前の兄ちゃんがガッツリ倒してるために、俺は窮屈な一時間半の旅。

あー、腹立つ!