親子ジグザグ

俺に用事のある奴はケータイにかけてくるっしょ。

なので、家の固定電話にはまず出ない。

だけども、鳴り止まない呼び出し音。

そういえば、何日か前に宗教の勧誘のような、ネズミ講みたいな電話がしつこくかかってきたと親が言ってた。

嫌な予感が胸をよぎる。

冷静になれよ、ミ・アミーゴ。

しょうがないので、機嫌悪そうに、威圧するように演出して受話器を取る。

電話口から聞こえる声は、お見合い紹介所のオバちゃんっぽいというか、何というか、とにかく面倒く…

え゙!?

お義母さん!?

いや、あの、その…えへへ。

ウチの親が『誠意って何かね?』って言われるぐらいいろんなものを送ってしまうので、そのお礼だそうだ。

まったく、ウチの親ときたら『ほれ、これも持ってげ』な感じで田舎丸出しだ。

ところで、俺はこのお義母さんがチョー好き。

俺の“面白いかどうかだ"というテーマにずっぽし。

ほんの短い時間の電話でも楽しくてしょうがない。

シャシャシャ。