講習其の四

2日目の講習はまるごと化学。

俺はさぁ、この世に理科がなかったら、きっと、もっとレベルの高い学校に行っただろうってぐらいの子。

アボガドロ数って何よ?

ア・ボガドロ?

アボガ・ドロ?

ザ☆ビエル?

講師は高校の化学教師。

話を聞いてて思った。

俺は化学が苦手なんじゃなくて、知識先行の化学教師の脳ミソが苦手なんだと。

ある有名な数学者が言ってた。

必要なのは国語力。

国語が出来てないと、知識がどんなに正しくても答えを間違う。

と。

たとえば、カツカレー。

講習を受けにきてる人が聞きたいのは、カツカレーの定義であって、カツそのものの素材や特徴ではない。

ましてや、『エビやイカが入ってるのはシーフードですから、カツカレーとは違います』という補足事項でもない。

だけど、化学教師ってそうだった。

この講師の話はオール無駄と判断した俺。

超高層ビルの上の空、届かない夢を見ちゃう。

そして、寝る。