ひとり咲き

家の庭にある桃の木。

ふと見ると、三輪ほど花を咲かせてた。

季節はずれの狂い咲き。

咲いたのか、咲かされたのか。

みんなと一緒に咲けば見事だろうに、こんな時期にはぐれて咲く羽目になったか。

誰の目にも止まらないかもよ。

平均じゃない負い目が膨らんでいくかもよ。

ただ笑われるだけかもよ。

咲かない方がよかったんじゃないかと思うかもよ。

みんなと同じじゃないといけないということもないけど、みんなと違った方がいいということもないだろ。

無責任な偽善で『咲けてよかったな』とは言えねぇよ。

それでも、今咲くか。

そうだよなぁ。

咲いて何ボだよなぁ。

まぁ、みんな、手前のことばっかり言うしよ。

勝手に咲いてみるのもいいかもしれねぇな。

頑張れよ、おまえ。