会社の廊下を歩いてたら、うしろからシルゾーに話しかけられた。
『休憩?』
『うん』
『…あぁ…そう』
休憩時間がカブるのがイヤだって感じを露骨に出されましたが、どうです?
基本的に返事しかしない故、『よく会話が続くね』って人から言われるぐらい司会進行を頑張ってる俺に『…あぁ…そう』と。
別の日、シルゾーが深刻な顔で話しかけてきた。
『今さら人に聞けないことがあってさぁ…』
あー、光化学スモッグとかの類な。
『この前、提出した書類を「これ、シャチハタじゃないですか?」って突き返されたんだけど…』
『うん』
『で、「違います」って言っちゃったんだけど…』
『うん』
『…シャチハタって何?』
うん、わからないまま、この先の人生を歩んでいくがよい。
『誰にも聞けないから聞いてるのに…』
都合のいい時だけ寄るでない。