自分、不器用ですから。

仕事帰りにシルゾーとコンビニに行ってた頃によく見かけるおっちゃんがいた。

作業着でベンチに座り、缶ビールを呑んでるのだが、何て言うか、剛よりも背中で語れてる。

特に欲も目標もなく、前に出ることもなく、『俺はこれでいいんだよ』と言わんばかりのたたずまい。

きっと、家庭に不満はないのだろう。

だけど、どこか孤独な匂いがするのだ。

このおっちゃんは誰にも迷惑をかけずに生きてるんだ。

だから、誰も迷惑をかけないでやってくれと願わずにいられない。

ある日の退勤時、シルゾーと歩いていると、ウチの会社の敷地内で自転車に乗ってるあのおっちゃんの姿。

『…見た?』

『見た!』

業者さんなのかな?

こんな近くにいたおっちゃんに感動。

コンビニに寄ってみると、いつものようにビールを呑んでるおっちゃん。

きっと、北の脅威とか、どうでもいいんだろうなぁ。

中年男の格好よさは、何も、チョイ悪に限ったものじゃないんだよ。