明日、転勤になる上司の送別会。
取り巻きの方向性には疑問があるものの、俺は出席する気マンマンだった。
明日、俺は用事があって年休を取っているので、会うのは今日が最後。
退勤時に挨拶をしておいた。
ちょっと、ジーンときちゃった自分は隠しておきたい。
この人が作った空気のせいで、本気で会社を辞めたかったこともあるし、やっぱりムカつくんだけどな。
だけど、数少ない“日本語の通じる人"だった。
組織上、末端だった俺たちとこの人の間に別の頭の悪い連中が入るために歪んでただけであって。
実際、直接話す時はスムーズに進んだものだ。
休憩室では、『いちばんいなくなったら困る人がいなくなるなぁ』とか『この部署、マジで終わるよ』なんて会話が聞こえてくる。
みんな、頭のいい人と悪い人の区別はついてるようだ。
最後の会話。
『みんなを引っ張ってってな』
『いや~(照)』
『あれだけ解ってるんだから出来るよ!』
とりあえずの言葉ではない自覚はあるけど、俺は仕事そのものはどうでもよくて。
ただ、日本語の通じる人と仕事がしたいだけなんです。