緊急事態

休憩室の長椅子に寝転がった直後、警報と共にアナウンス。

電力供給会社でトラブルがあったらしいのだが、これは即ち、心肺停止状態になることを意味する。

アナウンスがあってから、ものの数分でBOM!

容赦なしだ。

ここからはしっちゃかめっちゃか。

普段はiアプリばかりやってる課長も走る。

俺は何をしたらいいのかわかってないけど、一応、パフォーマンスで走っとく。

これが、もしも夜中だったら、俺が一人で対応しなきゃいけないわけで。

俺、そんなの食らったら泣いちゃうよ。

キングボンビーどころの騒ぎじゃない。

昨日と今日だけ特別に夕方からの勤務のシルゾーに電話してやる。

『おまえ、面白いの好きだろ?』

『うん、まぁ』

『会社に来たら面白いことになってるよ』

『何、ソレ?』

不安そうに聞くシルゾーだけど、内容は教えない。

自分が何かを食らう感じに捉えちゃうのは、今までの人生のデータに基づいてるんでしょうな。

会社に来て事態を把握したようだけど、特に触れてくることもなく。

面白い出来事も普通に掻き消され。