更衣室に行くと、俺の上着がない。
さっき、『おつかれさま』と言って帰ったノッポさんか、熱烈な愛情のあまり歪んでしまった俺のファン、どっちかの仕業だ。
ノッポさんに電話したら、やっぱり着て帰ってやがった。
会社を出て間もなかったため、すぐに戻るとのこと。
とりあえず、間繋ぎで鬼太郎(上司)をイジろうと決めた。
『事件です!』
『誰か倒れた!?』
『違う』
『誰かキレた!?』
『違う』
鬼太郎は、いつもいろんな人にキレられてるので、ちょっとしたことでも過敏に反応するなぁ。
『いったい何?』
『俺の上着を着て帰ったっぽいんだよね』
『そんなことォ!?』
まぁ、間繋ぎとしては、なかなかのリアクションでしょう。