キュルキュルキュル

責任者ということになってる俺は、みんなが帰らないと帰れない。

俺は一秒たりとも残業したくないので、毎日々々、時間内に処理出来るスケジュールを組んで。

なのに、伏兵が現れて残業になるパターン。

深夜2時まで待つことになった。

最後の一人の終業宣言を聞いた時、コーヒーを飲んでいた俺はカップを洗うのを待たせるのもアレなので、先に帰ってもらった。

待たされたのに、待たせない優しい僕ちゃん。

数分後、帰ろうとしたらキュルキュルキュル。

車のエンジンがかからないとです。

嗚呼、いつもは一緒に施錠確認をするのに。

何度かTRYしたけど、キュルキュルキュル。

今、この夜に俺しか地球上に存在してないかのような孤独感。

『これでダメなら、先に帰った人をケータイで呼び戻そう』でエンジンがかかった。

無事に帰れるよ、俺。

こんな“ギリギリでどうにかなる"的な神様からの演出プレゼントはいらない。