小梅が入院していた頃、まだアイータの腹の中にいた時に聞き覚えがあるであろう音楽を口ずさんでみた。
アイータがわざわざ嫁入り道具に持ってきた、あのゲーム音。
全部門で負けたくないのに、大きく負け越してる、あのゲーム音。
妊娠中の記憶はそれしかないというぐらいの一品。
俺はただ小梅にとって懐かしくて安心する音楽を提供しただけなのだが、看護師さんには俺がウカレてるように見えたらしく、『可愛くてしょうがないみたいですね~』と。
可愛くてしょうがないという理由でノリノリだったわけじゃないんだけど、それを否定すると『可愛い』というのも否定することになっちゃうし、説明すれば、アイータの嫁入り道具からの話になるしで、ややこしや。
いずれにしても、小梅は結構『オギャ~!』だし、未熟児さ加減を忘れるぐらいパンパンだ。