『海へ行きたい』と妻が言う。
あぁ、君が行きたいと言うのなら、僕はどこへだって連れて行こう。
そこは『ガードレールのところ』だそうだ。
情報、薄い。
それだけの情報で、パッと場所を思い描けた俺、彼女の伴侶です。
『あの、ほら、眼鏡かけてて、ほら』みたいな情報だけで芸能人の名前を当てていくよ、俺。
アイータが何故にそこの海へ行きたがったかというと、小石拾い。
小梅のお食い初めで『歯が丈夫になるように』とかいう願掛けで、必要らしい。
ウチの親、この手の行事は自分の情報内では強くこだわりをみせるくせに、何割かを満たすとあとは『そんなもんでいいんだよ』になる。
何か、お宮参りもお食い初めもウダウダと進んだような気がしてならない。
私、やっぱり、このお義母さんとはうまくやれないわ。