小梅の初散髪ですわ。
“筆にする”は、結論としてなしんこ。
そして、床屋は俺が小さい頃に行ってたところへ。
オヤジ、『久しぶりだね~』と言ってたけど、今も俺の名前を間違えて覚えてるに違いない。
だけど、俺はいちいち訂正しない。
だって、『“荻原”でも“萩原”でもいいよ』と思ってる派だから。
“処女喪失”の瞬間は当人らが思っているほどたいしたことじゃなく。
『私、初めてなの…』には『あ、そう』と返されるのは、床屋も歯医者も変わらない。
仕上がりは一気にお兄ちゃんっぽく。
そんな小梅にクリスマスツリーを買う。
どうにか、ツリーの前にお座りさせて写真を撮ろうと試みるが、『コテン→オギャー!』『コテン→オギャー!』の繰り返し。
見てくれはお兄ちゃんになったけど、ホントはまだ赤ちゃん。