くちなしの花

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まだ“あいさん”だった頃から、この時期にはクチナシのことを日記に書かいてたほど、クチナシ好きのアイータ。

 

俺自身は渡哲也しか思いつかないが、アイータは結婚した年からクチナシを育てている。

 

そのクチナシの花が咲いたとです。

 

アイータは嬉しそうに匂いを嗅いでる。

あのクチナシ特有の香り消しゴムの匂いを。

 

そんなこんなで、仮に(“仮に”って言ってっぺ)アイータが過去になる時が来たとしても、クチナシの匂いを嗅ぐたびにアイータのことを思い出すんでしょうよ。

 

あと、『うまく開けられたためしがない』と言ってたティッシュボックスのミシン目を見るたびに。

 

俺はうまく開かなかったためしがないので、よくわからないが。