17歳の地図

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中学の頃から何度も道場には通っていたので、その厳しさは充分すぎるほど知っていた。

故に絶対に入るまいと思っていたのだが、入学して一週間が過ぎた時に先生に捕まり、選択権のない状態で結局は入部。

 

実際、厳しかったよ。

まだ先生が絶対的な存在で、ボコボコにぶん殴られるというのも普通にある時代だったし。

 

毎日、朝練のために早いうちから自転車で登校してさ。

365日のうち、364日は学校で柔道部の連中と行動を共にして。

 

わりと頻繁に先輩の家に泊まりに行って、朝方まで呑んだりしながらバカ話をして、そのまま登校して、また練習というのが、たまらなく楽しかった。

 

地元じゃ花火大会で、誰と誰が一緒に行ったらしいとか聞いたけど、その頃、俺たちは遠く離れた気仙沼で合宿だったなぁ。

 

何もないところだったけど、中心地で祭りがあるって聞いてさ。

夜、みんなで無人駅から電車に乗り、行ったっけ。

 

仲間の一人が『生きててよかったぁ!』と叫んだけど、柔道漬けの日々の中、知らない土地の夜空に咲く大輪の花火を見ながら、全員がそう思ったよ。