ここらの“きたなシュラン”の話をしてたんだけど、みんな、同じ食堂が気になってたみたいで。
主要道路に面しているんだけど、建物は昭和30年代っぽく。
よく目にはするけど、情報が乏しい。
まぁ、“古汚い店は上手そう”というのはイメージであって、だいたいは見た目通りだと思うよ。
で、ある日、その食堂の前を通ったんだよ。
そしたら、暖簾の向きが逆で、店側から見て読めるようになってた。
やっぱり、ただテキトーにやってる感じの食堂っぽい。
しかし、まてよ。
暖簾の向きって、逆に見えるモノが本当は正解だという説を聞いたことがないかい?
だとすれば、慣例に流されず、むしろ『今の連中は常識を知らない』などという昔気質の職人さんで、腕は確かなんじゃないか?
と。
見栄えに頼らない“ホンモノ”がそこにあるんだよ、きっと。
それから何度かその食堂の前を通るたびに暖簾を見るようになってしまったんだが。
暖簾の向きが逆だったのは一回きりだったので、やはり、テキトーということです。