高校の柔道部の先輩から電話がかかってきた。
今回の地震で思うところは一緒のようだ。
もう25年も経つんだなぁ。
夏休み中の合宿で一週間もの間、気仙沼で過ごしたのは。
『どこかに行きてぇなぁ』と思った時に必ず頭の中で候補に挙がってたけど、これまで行けず終いで。
だけど、いつかはふたたび訪れたいと思っていた青春の思い出の地。
きっと、今は記憶の中にあるあの風景ではないんだろう。
あの無人駅も、大雨で膝の高さまで増水した中を歩いたあの道も、休憩時間のたびに通ったあの雑貨屋も、唯一の息抜きで夜祭りを見に行ったあの港も、みんな。
『すべての事象には意味がある』と思わなくなってからずいぶん経つけど、こんなことに意味があってたまるか。
そういえば、昔、筆で書いたなぁ。
“見つけたらぶん殴ってやろうと思ってるんだけど、どこにもいねぇんだよ、神様って”
と。