久しぶりに対面を果たした小梅に『寂しかった?』と聞いても無視する。
寂しさを口にしないくせに甘えたがりは態度に出ちゃう男のくせに。
父ちゃんが名古屋に来たということは家に帰るのだと理解しているらしく、何も言ってないのに、『じいちゃん、ばいばーい』だの『くるまのってかえろ』だの、相変わらず切替えは早い。
アイータが名古屋に帰ったら行きたい店の上位だというピザ屋で昼メシを食ってから帰ろうとするも、9組待ちとかで混雑。
だけど、せっかくなので待つことに。
小梅、“待つ”というのを理解できないんだよな。
もう、『え~ん、ぴざたべるよ~!』とチョーうっせぇ。
チョーうっせぇけど、一週間振りなので今の俺にはそれも可愛いわ。
待つだけ待って、店員にはムカつき、常識に欠ける客には怒ってやったりしながらも美味しくいただき、帰路へ。
春霞の空にぼんやり浮かぶ富士山を見ながら、アイータには『まだ余震大国なのでよろしく』と言いながら。
ほら、家に着くなりグラっと。