いつも延長保育で、ヨソのおかあさんたちが迎えに来てみんなが帰って行くのを淋しそうに見ている男のコ。
今日はみんなと同じ時間におかあさんが迎えに来てくれて、嬉しそう。
このコがこんなにはしゃいでいるのをはじめて見た気がする。
小梅なんて、幼稚園の敷地内にいる間は親のことはほぼスルーなのに。
そのコが話しかけてきたんだよ。
『おじさん、このくつ(を履いて走ると)はやいんだよ』と。
『本当かぁ?』なんて言いながら追いかけっこをしてみせたけど、“おじさん”という言葉を流したわけじゃないからな。
アイータは『どこからどう見たっておじさんじゃん』と言うが、ならば、ボクは“素敵なおじさま”として、今後来るであろうモテ期を迎えるというのか?
いや、それならそれでいいけどさ、おカネを持っていない“素敵なおじさま”って、無い気がする。